ダイヤモンド・メディア白書 2026

ダイヤモンド・メディアラボ室では、2025年10月から12月にかけて、全国のメディア企業700社以上を対象に調査を実施しました。生成AIに関する調査では104社、経営に関する調査では82社(有効回答73社、うち社長名による回答33社)から回答を得ています。
本白書では、「生成AI」「経営」「信頼性」の3つの軸から、メディア企業の現在地と今後の方向性を多角的に分析しています。調査結果を基に、事業環境の変化や収益構造、人材の課題などを整理し、メディア産業が直面する構造的な変化と今後の課題を明らかにしました。
オーバービュー
メディア企業の生成AIの活用実態と課題、経営者が捉えるメディア産業の現在地と未来像、そして利用者の信頼とメディア利用の変化——白書の第1章、第2章、第3章それぞれの要点を整理し、本白書の全体構造と主要な論点を短時間で把握できるオーバービューです。
サマリー
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メディア企業104社 生成AIアンケート
回答企業104社のうち、8割が何らかの形で生成AIを導入し、すでに活用は広がっている。一方で全社的な本格導入は28%にとどまり、多くの企業が試験運用や部分導入の段階にある。活用は進んでいるが、「自社にとって生成AIとは何か」という経営判断は先送りされており、位置付けが定まっていない構造が明らかになった。
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メディア企業82社経営者アンケート
メディア企業82社(有効回答73社)の経営者・経営層を対象とした調査では、メディア産業の地盤沈下の要因として、SNSの浸透や情報発信主体の多様化といった環境変化が広く認識されている。一方で、デジタル化の進展に伴う事業構造の転換や人材育成の必要性が指摘されながらも、戦略や実行は既存事業の延長にとどまる傾向が強く、問題認識と変革の実行との間に構造的なギャップが明らかになった。
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メディアの信頼度の推移
2008年以降、新聞・テレビ・インターネットを含む全てのメディアの信頼度は長期的に低下している。一方でインターネットは利用面では中心的な地位を占めるが、信頼度は依然として低水準にとどまるなど、「利用」と「信頼」が乖離する構造が拡大している。信頼度の低下は単純な喪失ではなく、「分化と変質」として捉える必要がある。
共同研究者・山口真一教授のインサイト

本白書の共同研究者である国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一教授は、本調査を通じて、生成AI時代における情報の信頼基盤の変化と、メディアが直面する構造的課題を明らかにした。フェイク情報が常態化する「withフェイク2.0時代」において、「技術・経営・信頼」は相互に影響し合っている。これらの知見を基にした詳細なインサイトを、本白書の分析と併せて解説している。



