ブックタイトル月刊総務2015年2月号特集

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概要

月刊総務2015年2月号特集

21 2015.2ロデュースを担当しているモチベーションイベント局プロデューサーの中西幸司さんによると、「ここ最近は、東京オリンピックの開催決定や野球のWBC、サッカーワールドカップなどの人気によってスポーツに注目が集まり、経営課題解決の方策として運動会をやりたいという要望が多くなりました」とのこと。「スポーツイベントには〝コミュニケーション〟〝運動〟〝競争〟という三つの特徴的な機能(図表?)がありますが、どれを重視するかは非常に重要であり、社員のニーズをきちんと吸い上げることが必要です。実際、私が知っている企業では、例年〝コミュニケーション〟を重視して勝ち負けにこだわらない運動会を開催していましたが、実は社員は『せっかく家族が見に来ているのだから勝った姿を見せたい。子供に誇りに思ってもらいたい』と思っていたことがわかり、勝負優先のプログラムに変更したところ非常に好評でした。社員のニーズを把握するプロセスを省いてしまうと、『会社の運動会はつまらない』と社員から不評を買う 一昔前の社内イベントは、会社の経営方針や事業戦略などの説明会を主目的として開催され、その後、懇親会を行うという流れが主流だったが、ここ数年は社員が集まる機会を利用して何か一体感を醸成できるイベントをやりたいという要望が多くなり、研修型とスポーツイベント型が数多く開催されるようになったという。「チームビルディングの手法の一つとして社内イベントを位置付けているといえます。研修型の場合は、成功事例発表をプログラムの一つのコンテンツとして盛り込み、成功事例の共有をはかるケースも多くあります。また座学だけでなく、数百人規模でロールプレイング大会をやったり、接客コンテストを開催したりと、体を動かすプログラムが増えています。座学ではなく体を動かすことで、モチベーションアップの効果もあることが、心理学で実証されています」(菊入さん)体を動かすということでは、最近話題となっているスポーツイベントを開催する企業も右肩上がりで増加しているという。主にスポーツイベントのプことがわかっています。たとえば、開発部門と営業部門など、お互いの主張をぶつけ合う局面もあるかと思いますが、日頃のコミュニケーションが円滑でなければ、敵対心だけがあおられて会社の利益を優先する意識が希薄になってしまいます。また、上司と部下のコミュニケーションが滞っていると、組織のマネジメントはうまくいきません。叱るという行為もパワハラと受け止められかねず、叱れない、効果的にほめられないという状況を生み出します。土台としてのコミュニケーションがしっかり取れていなければ、マネジメントはできないのです。今やインナーコミュニケーションは単なる福利厚生施策ではなく、経営課題を解決するための重要な施策であることに、経営者が気付き始めたといえるでしょう」と、ワーク・モチベーション研究所所長の菊入みゆきさん。 いわゆるゆとり世代、さとり世代の若者は、飲みニケーションをはじめ会社行事への参加を敬遠しがちであるといわれているが、会社が経費削減や社員の価値観の多様化から社内イベントの実施を見合わせたことで、逆に若手社員からはそ現在、この流れはさらに盛り上がりを見せ、かつての社内イベントの復活という状況を超えて、新しい形を作ろうという動きが活発になっています」 ジェイティービーモチベーションズが二〇一三年一二月にまとめた「経営者一四八人に聞いた 社内イベントの効果に関する調査報告書」(以下「調査報告書」)によると、業績の良い企業の経営者ほど、社内イベントを重視する傾向が明らかになったという(図表?)。「社内コミュニケーションが不足している組織では、業績に悪影響があるの揺り戻しともいえる要望が出てきているという。誰もが社内イベントが嫌なわけではなく、押し付けられることに抵抗があるのであって、自分たちの自主性が認められれば一生懸命取り組む一面もあることを、知っておくべきだろう。特集インナーコミュニケーション活性化術主流はチームビルディングを取り入れたイベント図表2 スポーツイベントの3つの機能健康増進・リフレッシュ効果運動一体感・モチベーション向上コミュニケーション達成感・共感・高揚感醸成競争