ブックタイトル月刊総務2015年4月号特集_試し読み

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概要

月刊総務2015年4月号特集_試し読み

2015.4 16四〇歳代一般社員のうちの約半数が「最近、あきらめ感を感じていることが多い」と回答している(図表?)。さらに、同調査の「今後のキャリアの方向性として取りたい方向性」を、ラインの管理職、専門職、独立の三つの中から選択する設問では、四〇歳代一般社員は、七七%が「専門職として、自分の専門性を高めていく」と回答。一方、「さらに磨きをかけていこうと思っている専門分野がある」と回答した人は三二%にとどまり、その他の三〇歳代、四〇歳代管理職(部下なし)、四〇歳代管理職(部下あり)の層と比べてもっとも低い結果となっている。「自分の専門性を高めていきたい」と思いつつ「磨きをかけていこうと思っている専門分野があるとはいえない」というギャップは、何を示唆しているのか。今後のキャリアの方向性を考えたとき、「管理職として昇進できない」「独立もしくは起業する意向はない」と思った人が消去法により回答したとも考えられるが、漫然と今の延長線上で働き続けられると思っているミドル世代社員の能力と業務のミスマッチ生涯キャリア形成とは、できるだけ早い時期から「生涯戦力化」をスタートし、四〇歳代までに「自己固有能力の『核』を確立」、五〇歳代でさらに高度化させ、六〇歳代以降は「自己固有能力の『核』の活用」によりキャリア自立を実現することだ(図表?)。では、「自己固有能力の核」を持っていると自負するビジネスパーソンは果たしてどのくらいいるだろうか。キャリアの発達段階を表す「キャリア・サイクル」(E・シャイン博士)によると、四〇歳代後半は十分な経験を積み、後輩育成など指導者的立場を担うキャリア後期であると同時に、能力のミスマッチや体力・影響力の衰えにより、組織から少しずつ距離を置き、引退の準備を考え始める時期であるとされている。日本マンパワーが二〇一三年七月に実施した「ミドル世代社員に関する調査」においても、20歳代30歳代40歳代50歳代60歳代(目の前の仕事をこなすための仕事のみで、体系的な学習は、なし) (過去の知識と経験により「大過のない処理」に精通。熟練能力を専門能力と誤認し続ける傾向)※生涯戦力化のプロセスに乗っていたとしても、能力陳腐化のリスクは常に伴っているため、 上司部下面談などを通じて、専門能力の陳腐化が起きていないかを確認することが重要である。(変化を担う適応エキスパート)(専門能力の更新と体系化)(新たな役割に向けて、組織貢献を通じた専門能力のさらなる高度化と自分ならではの固有化)(組織人から職業人への転換。成果貢献による生きがいある仕事生活)専門知識の範囲拡大その場しのぎ型知識学習熟練エキスパート自己固有能力の「核」の確立(熟練能力と社内影響力を専門能力と誤認)核なき誤認型管理者自己固有能力の「核」の高度化(定年まで与えられた業務を「大過なく処理する」ことで過ごす。しかし能力と業務のミスマッチも発生)定年前OB化自己固有能力の「核」を活用(生産性の低さのみでなく、周囲への悪影響が発生)定年後腰掛け仕事生涯雇用能力形成のスタート能力の陳腐化のスタート能力の実践化シニアステージでの自立4 に向けたミドル世代社員のキャリア自律4目の前の仕事をこなすための学習のみで、体系的な学習をしていかなければ能力は確実に陳腐化する。四〇歳代ですでに、「核なき誤認型管理者」とのレッテルを貼られてしまう可能性すらある。そうならないためには、会社からの働き掛けも重要だ。企業に求められるミドル層への施策CHAPTER 2図表3 能力の陳腐化と生涯キャリア形成出典:ミドル・シニアのキャリア開発支援研究会提言