ブックタイトル月刊総務2015年4月号特集_試し読み

ページ
9/14

このページは 月刊総務2015年4月号特集_試し読み の電子ブックに掲載されている9ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

月刊総務2015年4月号特集_試し読み

2015.4 22たな領域へのチャレンジ』と『得意領域を強固にする』ことに重点を置いています。シニア層社員に、組織内でなくてはならない存在として輝いてもらうためです。そうした存在の好例としては、グループ会社のサントリーフーズ株式会社のTOOという制度があります。これは『となりのおせっかいおじさん(おばさん)』を略した名称で、シニア層が若手の相談役やマネジャーのサポート役を務めているのです。通常業務との兼務ですが、アドバイザー、ビジネスコーチ、エグゼクティブコーチなど一人で何役もこなし、若い社員から頼りにされ、まさに組織内で〝なくてはならない存在?になっています。シニアとして成長できる道はますます広がっていますので、しっかりとサポートしていきたいと思っています」(山田さん)〝やってみなはれ?を最大限発揮するために、社員のキャリア形成を積極的に支援する取り組みが高く評価されたもの」と捉えている。同社ではまた、シニア層社員のさらなる活躍にも力を注いでいる(図表?)。六五歳定年制を導入する以前から、六〇歳定年者の多くが再雇用を希望し、希望者のほとんどが実際に就労しているという。山田さん自身もその一人だ。「五〇歳代のワークショップは『新「社員からの相談を待っているだけではタイミングを逸してしまうこともあるので、節目ごとにキャリアサポート室から積極的に面談を仕掛けています。立てた計画の進捗を第三者と共有し、うまく運んでいないことがあれば、何が課題なのか客観的に見つめることが有用ではないかと考えています。このように当社は、ラインとキャリアサポート室の両輪で社員との対話に注力しており、キャリアサポート室だけでも年間の面談人数は延べ一〇〇〇人に及んでいます」(山田さん)シニア期のキャリア・ライフサポート施策こうした取り組みが評価され、サントリーホールディングスは、厚生労働省「キャリア支援企業表彰二〇一三」厚生労働大臣表彰企業に選定された。「キャリア支援企業」とは、人を育て、人が育つことに重点を置いた取り組みで成果を上げている企業をいう。同社ではこの受賞について、「一人ひとりがイキイキとやりがいを持って働き、自律をサポートする個別面談同社では、上司との定期的な対話を通じて個々人の果たすべき役割・目標を設定するとともに、個々の成長につなげている。業務計画立案、振り返り(中間・年間の二回)、人事考課結果のフィードバック、そして中長期的に「自らが目指す姿」とその実現に向けた取り組みについて上司と話し合うキャリアビジョン面談と、年間五回の面談を実施。さらに、これらラインにおける面談のサイクルに加え、キャリアサポート室のアドバイザーによる個別の面談の機会を持つことで、個人の視点に立ったサポートを強化している。個別面談は大きく分けて三種類。相談者からのメール・電話に対応する「随時受付型」、異動や休職明け、管理職への昇進などの大きな環境変化があった社員に対する「イベント型面談」、そしてワークショップ参加者への「フォロー面談」だ。本社所在地:大阪府大阪市北区堂島浜2-1-40代表者:代表取締役会長 佐治信忠代表取締役社長 新浪剛史グループ従業員数:37,613 人(2014 年12 月末現在)グループ事業内容:食品関連事業/酒類関連事業/外食・花・サービス関連事業 他ホームページ:http://www.suntory.co.jp/企業DATA サントリーホールディングス株式会社職場の活性化管理職と一般社員の理解促進業績の向上 53歳キャリア・ワークショップ53(必須)(一人ひとりが考える)“成長の再認識”自己の現状を点検するとともに、キャリアデザインステップを理解し、「いつでも描ける」ようにする58歳キャリア・ワークショップ58(必須)“リバイタル”「これまで培った力」と「周囲の期待」の統合を基に(65歳以降も含めた)「シニアとしての成長の継続」を考えるキャリア50 ~ 52歳ライフプランセミナー①(必須)(会社からの情報提供)・人事制度説明・年金制度・自由選択一時金制度・収入シミュレーション58歳ライフプランセミナー②(必須)・60歳以降の賃金(資格変更)・退職金制度・収入シミュレーション63歳(定年2年前)ライフプランセミナー③(必須)“定年前の再確認”・退職金制度・収入シミュレーションライフ50              55              60            (歳)キャリア面談(個別)は随時実施図表3 シニア期におけるキャリア・ライフサポート施策「TOO」のロゴが入ったジャンパーとバッヂが、社内での認知度アップと相談しやすい雰囲気作りに一役買っている