ブックタイトル月刊総務2015年10月号特集_試し読み

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月刊総務2015年10月号特集_試し読み

2015.10 14に関する経済財政諮問会議の議論も踏まえながら検討を進め、年内に取りまとめる」との表明を踏まえたものであり、二〇一四年二月に「『責任ある機関投資家』の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》」(以下、スチュワードシップ・コード)が策定・公表された。スチュワードシップ・コード策定にあたって参照されたのが、二〇一〇年に世界で初めて策定された英国版スチュワードシップ・コードである。英国においては一九八〇年代に会社不祥事が社会問題化し、一九九〇年代のキャドバリー報告書などを経てコーポレートガバナンスの議論が活発化し整備が進んだ。「スチュワード」とは聖長への競争力とインセンティブ?企業と投資家の望ましい関係構築?」プロジェクト(通称「伊藤プロジェクト」)が発足した。他方、金融庁では二〇一三年八月より「民間有識者の知見を生かしつつ、機関投資家が適切に受託者責任を果たすための原則を策定することを目的」として、「日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」を開催。二〇一三年六月に閣議決定された「日本再興戦略」で「企業の持続的な成長を促す観点から、幅広い範囲の機関投資家が企業との建設的な対話を行い、適切に受託者責任を果たすための原則について、わが国の市場経済システムから批判の声が上がった。こうした状況を踏まえ、経済産業省の主管により次々と議論の場が設けられた。二〇一二年三月には経済産業政策局長の研究会として第一回「コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会」が開催され、独立役員に期待される役割について整理を行うとともに、広く企業システムのあるべき形について検討を開始。そして同年七月、伊藤邦雄一橋大学大学院商学研究科教授を座長とする「持続的成 企業統治(コーポレートガバナンス)の整備や強化が話題・問題とされるときは、国内外を問わず企業になんらかの不祥事が起こったことが契機となっている場合が多い。日本においては、二〇一一年に創業家経営者による子会社からの巨額融資や、先進的なガバナンス体制を有するといわれていた精密機器メーカーの損失計上先送りといった不正が相次いで報道され、会計制度までを含めたコーポレート・ガバナンス・システムの在り方について国内外コーポレートガバナンス・コード策定の背景と経緯C H A P T E R 1 総 論コーポレートガバナンス・コードが上場企業に求めるものとは二〇一四年二月に「『責任ある機関投資家』の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》が公表されたのに続き、二〇一五年五月の改正会社法の施行を経て、六月一日より日本の全上場企業に対し「コーポレートガバナンス・コード」の適用が開始された。企業が求められているものは何か、どのように取り組んでいけばいいのか、行政機関が運営する有識者会議等のメンバーとして活躍した、コモンズ投信株式会社の取締役会長である渋澤健さんにうかがった。渋澤 健さん1983 年テキサス大学BS ChemicalEngineering 卒業。1984 年( 財)日本国際交流センター入社。1987年UCLA 大学MBA 経営大学院卒業、同年ファースト・ボストン証券会社(NY) 入社。1988 年よりJP モルガン銀行(東京)、JP モルガン証券(東京)、ゴールドマン・サックス証券会社(東京)を経て、1996 年ムーア・キャピタル・マネジメント(NY)入社。1997 年同社東京駐在員事務所開設。2001 年シブサワ・アンド・カンパニー株式会社(http://www.shibusawa.co.jp)を創業し、2007 年コモンズ株式会社(現コモンズ投信、http://www.commons30.jp)を設立、2008 年に会長に就任。2012 年日本国際交流センター理事長に就任、2014 年3 月退任。経済同友会幹事。『渋沢栄一 愛と勇気と資本主義』(日経ビジネス人文庫)ほか著書多数。コモンズ投信株式会社 取締役会長シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役取材・文◎宮本優子