ブックタイトル月刊総務2015年11月号第2特集

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概要

月刊総務2015年11月号第2特集

2015.11 56を休めよう」といった日常的に行ってほしいことも、経営者が発信すれば、浸透しやすくなる。 さらに健康経営の運用に欠かせないのが、健康保険組合や協会けんぽの存在だ。 二〇一三年に健康作りのために健康保険組合のレセプトデータ等を活用する「データヘルスの推進に関する政府の方針(データヘルス計画)」が閣議決定された。健康管理に関するデータを活用し、職場の健康問題を明らかにすることがねらいで、扱うデータは医療費の問題も含まれている。 このデータは健康経営にとっても重要な意味を持つ。健康経営を進めるにあたり、企業はまず健康に関する自社の現状を知り、課題を浮き彫りにすることから始めるだろう。その際、データヘルス計画によって健康管理情報を集約すれば、取り組むべき問題や優先順位等を分析しやすくなる。対策を立て、実行に移すときも、経営者と健康保険組合が連携するコラボヘルスが、効率化と効果的な対策に欠かせない。 協会けんぽや健康保険組合は多くのデータを保有・蓄積しているので、彼らと話をするうちに、たとえば、「他社の平均値と比べて、自社ではメタボ人口の比率が高い」といった課題も見えてくるはずだ。改善すべき点が見えてきたら、改善に向けてのアプローチ法についても相談できる。社員食堂のメニューを見直す、栄養指導を行う、運動する機会を設けるなど、すぐ着手できる対策も少なくないだろう。 同様に産業医や保健師とのコミュニケーションも重要だ。ここから見えてくることも多いので、定期健診等で顔を合わせるだけではもったいない。従業員の健康状態だけにとどまらず、事業規模や業種なども考慮した健康管理のルール策定や、産業保健スタッフの採用・教育、保健プログラムの評価など、広く施策に関わってもらえる産業医を迎えられれば理想的だ。こうしたニーズに応えるためにも、公益社国法人日本産業衛生学会では、実務経験が豊富でマネジメント力があり、外部専門家・機関とのネットワークを持つなどの要件を持つ「統括産業医」の育成に力を入れている。 「健康経営」の一歩を踏み出し、軌道に乗せ、さらに投資に見合ったメリットを得るには、専門家によるデータ分析とアドバイスが欠かせない。社内のプロジェクトチームに迎えて綿密な連携を取ることは、順調な施策運用の基盤だ。 ひとくちに「従業員の健康管理」といっても、会社や職種や職場の地域といった働く環境により、受ける影響はさまざまだ。その特徴を知り、課題を洗い出すことも非常に重要となる。 職種で見ていくと、システム系の人は緊張した状態で長時間作業することが多く、たとえ痩せていても高血圧になりやすいといわれる。こういった場合は、体調管理のために職場主導でリラックスタイムを設ける、職場に血圧計を用意し、測れるようにするなどの対策にすぐ着手したい。 また交代制や夜勤の仕事は、高脂質で脂肪肝になりがち。これは仕事のあと、すぐ眠ろうとして飲酒を習慣にしている人が多いのが主な原因と見られている。ほかにも営業・販売系は血糖値が高くなりやすいことなどがわかっている。 このように、従業員が陥りやすい不調は、職種や業種・勤務体系によっても異なる。これを分析し、追究すれば、その改善策に加えて会社や職場、働き方の課題まで浮き彫りになっていくだろう。 管理担当者や上長は、社内のコミュニケーション活性化にも力を入れたい。それにより従業員が抱える問題、あるいは課題解決のヒントに気付くことが考えられる。話すことでストレス解消や職場の楽しさが増すメリットもある。日常の小さな工夫の積み重ねが、職場環境を良くし、健康経営を支える力になる。健康経営は、「人」によって運営するもの。経営者や管理担当者は、従業員と社外の専門家を巻き込み、自社にフィットする方法を構築していこう。職場の特徴を知ることからすべてが始まる■図表7/健康経営の大まかな進め方協会けんぽ・健保組合、産業医・保健師などへのヒアリングやデータの入手データを基に分析、取り組むべき課題の優先順位を付ける1 健康上の課題の洗い出し2 経営に与える影響を分析協会けんぽ・健保組合などにも相談し、改善に向けてのアプローチ法を考える3 体制の整備・見直し経営に与える影響の大きいものや、取り組みやすい施策を優先的に実施実施前・実施後でのデータの比較やアンケートなどで把握。PDCAを回すCSR報告書やウェブサイトで周知4 施策の実施5 効果測定・さらなる改善策の実施6 社内外へアピール