世界的なイノベーター 初の著作!
濱口 秀司 『SHIFT:イノベーションの作法』
#10
なぜ「本」ではなくて、「論文集」なのか……? 『20歳の自分に受けさせたい文章講義』(星海社新書)や『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(ダイヤモンド社、共著)など、多くのベストセラーを次々送り出すライターの古賀史健さんが、『SHIFT:イノベーションの作法』について多くの人が感じる疑問を、著者の濱口秀司さん自身にぶつけてみてくれました。
ライターとは因果な商売である。誰もが訊きたがっているものの、恥ずかしくていまさら訊けない初歩の初歩について、臆面もなく質問をぶつけていくことを託された職業。それがライターだ。
「そんなこともわからないんですか」。
やさしくクールな濱口さんに、そう馬鹿にされてもかまわない。別に取材でもなんでもないプライベートの場で、なかば職業病のようにぼくは訊いた。
「濱口さん、今回の『SHIFT:イノベーションの作法』。なぜ濱口さんはあれを〝本〟だと呼ばせず、あくまでも〝論文集〟なのだと何度も念押ししているんですか?」
濱口さんの答えは、きわめてシンプルなものだった。
「ぼくは自分の考えを、ことばだけで伝えられるとは思っていません。ことばだけのコミュニケーションでは誤解しか生まないとさえ、思っています。だから、ぼくが本を出版するなんて、百害あって一利なしなのです。誤解をバラ撒くようなものですからね。でも、出版社の方から説得を受けるうちに、それが論文だったらかまわない、と思えるところまできました。この『SHIFT』は、読者への作用を目的とした本ではなく、自分の考えをまとめただけの論文集です。だから本当は販売する必要もないんだけど、印税全額を寄付することにして、折り合いをつけました」
ことばを疑い、本というメディアを疑い、自分自身のことまで疑い、そのすべてを突破する解を導き出す。『SHIFT:イノベーションの作法』は、まさに濱口秀司さんの在りかたそのものといえる一冊だ。
……ということで濱口さん、また馬鹿な質問、たくさんさせてくださいね。
古賀 史健さん
ライター
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あらゆる角度でビジネスにインパクトを生み出したい皆さんの基礎となる必携の1冊です!
ライターとは因果な商売である。誰もが訊きたがっているものの、恥ずかしくていまさら訊けない初歩の初歩について、臆面もなく質問をぶつけていくことを託された職業。それがライターだ。
「そんなこともわからないんですか」。
やさしくクールな濱口さんに、そう馬鹿にされてもかまわない。別に取材でもなんでもないプライベートの場で、なかば職業病のようにぼくは訊いた。
「濱口さん、今回の『SHIFT:イノベーションの作法』。なぜ濱口さんはあれを〝本〟だと呼ばせず、あくまでも〝論文集〟なのだと何度も念押ししているんですか?」
濱口さんの答えは、きわめてシンプルなものだった。
「ぼくは自分の考えを、ことばだけで伝えられるとは思っていません。ことばだけのコミュニケーションでは誤解しか生まないとさえ、思っています。だから、ぼくが本を出版するなんて、百害あって一利なしなのです。誤解をバラ撒くようなものですからね。でも、出版社の方から説得を受けるうちに、それが論文だったらかまわない、と思えるところまできました。この『SHIFT』は、読者への作用を目的とした本ではなく、自分の考えをまとめただけの論文集です。だから本当は販売する必要もないんだけど、印税全額を寄付することにして、折り合いをつけました」
ことばを疑い、本というメディアを疑い、自分自身のことまで疑い、そのすべてを突破する解を導き出す。『SHIFT:イノベーションの作法』は、まさに濱口秀司さんの在りかたそのものといえる一冊だ。
……ということで濱口さん、また馬鹿な質問、たくさんさせてくださいね。