『SHIFT:イノベーションの作法』

世界的なイノベーター 初の著作!

濱口 秀司 『SHIFT:イノベーションの作法』


#06

若林恵さんに聞く「イノベーションを考えるとき、わたしたち凡人は、アタマを使う場所をたいてい間違える」

古今東西のイノベーションに通じる、元WIRED編集長で黒鳥社コンテンツ・ディレクターの若林恵さんは、シリアル・イノベーター濱口秀司さんの論文集『SHIFT:イノベーションの作法』をどのように読んでくださったのか。若林さんが「この論集で(特に)多く語っている」と感じたのは、イノベーションを技術化するための〈下ごしらえ〉の部分。いざやってみると滅法難しいこの<下ごしらえ>を成功させるための、アタマの使いかたについて、若林さん流に読み解いてもらいました!

イノベーションとやらを考えるとき、わたしたち凡人は、アタマを使う場所をたいてい間違える。〈アウトプットがイノベーティブであること〉にばかり気を取られてしまう。濱口さんいわく、イノベーションはアウトプットにではなく、どうやったらそのお題を思考可能なものにできるのかという〈下ごしらえ〉に宿る。イノベーションは創造的アートではなく、工学的技術なのだ。まかり間違っても自分のヒラメキや才能なぞをアテにしてはいけない。

もっとも、いざやってみると滅法難しい。わたしたちは、生まれてこの方そんなアタマの使い方をしたことすらないからだ。であるがゆえに、そこが濱口さんいうところの〈バイアス〉の温床となるわけだが、濱口さんを見ていると、バイアス探しの能力は、技術というよりやはり才能に由来するのではないかと思えてしまうところが悩ましい。

とはいえ、わたしたち凡人が取るべき道は、結局のところひとつしかない。濱口さんの語る〈作法〉が技術であると信じてそのスキルを体得すべく努力を重ねることだ。その結果「なーんだ、濱口秀司のやってることなんて誰だってできるね」となれば、そのとき日本は相当な競争力をもったイノベーション大国になっているはずだし、それは裏を返せば、論理的にアタマを使う技術を身につける以外には、日本のビジネスが未来を見出す道はないだろう、という(愛ある)厳しい叱咤でもある。

若林 恵さん

若林 恵さん

黒鳥社コンテンツ・ディレクター


世界的なイノベーター 初の著作!

世界的なイノベーター 初の著作! 濱口 秀司 『SHIFT:イノベーションの作法』

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濱口 秀司 『SHIFT:イノベーションの作法』

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