CxOの課題
ハーバード・ビジネス・スクールのジョン P. コッター名誉教授は、当時としては史上最年少で教授の座に就き、以来、日本を含む世界中で調査研究を重ねながらリーダーシップ論、組織行動論の世界をリードしてきた。本講演では、なぜ組織は変化に適応できないのかについて、脳科学の知見も取り入れた最新刊『CHANGE 組織はなぜ変われないのか』の執筆に至った理由や内容を交えながら紹介する。さらに、パナソニック創業者の松下幸之助の研究者としても知られるコッター教授が、同氏の功績を例に挙げながら、経済の低迷にあえぐ日本企業にエールを送る。
ジョン P. コッター 氏
ハーバード・ビジネス・スクール 名誉教授
ハーバード・ビジネス・スクール松下幸之助記念講座名誉教授。リーダーシップ論を担当。1972年からハーバード・ビジネス・スクールで教鞭を執る。主な著書に『企業変革力』(日経BP社)、『リーダーシップ論[第2版]』『幸之助論』『ジョン P. コッター 実行する組織』『CHANGE 組織はなぜ変われないのか』(以上、ダイヤモンド社)などがある。
VUCAの時代において、持続可能な社会やビジネスの変革が企業にとって最重要アジェンダとなっている。そのためには変革の要諦である「持続的な人々の行動」を捉えることが重要である。企業が真に人を理解し、人を起点に社会やビジネスを再構築するには、従来捉えられなかった「行動の持続性」を新たな手法によって捉える必要がある。本セッションでは、人々の価値観に基づく持続性のある行動を探求する「Human&Values Lab.」を立ち上げたRidgelinezが、独自の人を捉えるフレームワークや変革実践の知見を元に、企業経営者が持つべき「人と企業の共鳴型経営」の視点について、一橋大学ビジネススクール客員教授 名和高司氏と共に考察する。
今井俊哉 氏
Ridgelinez Chief Executive Officer
約30年にわたり、コンピュータ・メーカー、ITサービスプロバイダー、電子部品メーカー、自動車メーカーに対し、全社戦略、営業マーケティング戦略、グローバル戦略、IT戦略などの立案、組織・風土改革、ターンアラウンドの実行支援などのプロジェクトを多数手がける。富士通を経てブーズ・アレン・アンド・ハミルトンに14年在職。その後、SAPジャパン(バイスプレジデント)、ベイン・アン ド・カンパニー(パートナー)、ブーズ・アンド・カンパニー (代表取締役)、PwCコンサルティング(副代表執行役)を経て、2020年4月より現職。
名和高司 氏
京都先端科学大学 教授/一橋大学ビジネススクール客員教授
東京大学法学部卒業後、ハーバード・ビジネス・スクールにてMBA(経営学修士)、ならびに優秀成績者に授与されるベーカースカラーを取得。三菱商事を経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。同社ディレクターを経て、2010年より現職。現在は味の素、SOMPOホールディングス、NECキャピタルソリューションの社外取締役、朝日新聞社の社外監査役も務める。主な著書に『学習優位の経営』(ダイヤモンド社、2010年)、『経営改革大全』(日本経済新聞出版、2020年)、『パーパス経営』(東洋経済新報社、2021年)、『稲盛と永守』(日本経済新聞出版、2021年)、『シュンペーター』(日経BP、2022年) がある。
企業には不断の革新が求められている。特に変化が激しいこの時代においては、いかなる実績と伝統を有する企業であっても、革新なくしては永続することはできない。 これまでに成功を収めてきた企業には、誰もが認める明確な存在意義があり、それがDNAとして組織に浸透している。しかし、この存在意義に縛り付けられてしまうと、革新に対するリスク感応度が高まり、組織のチャレンジ精神が損なわれてしまう。ところが、中には創業以来の存在意義を時代に応じて見つめ直し、革新を続ける企業も存在する。コーン・フェリーは、こうした稀有な企業の経営者にインタビューを実施した。今回は、このインタビューを通じて見えてきた、自分達の存在意義を見失わずに、経営環境に即した形で革新に取り組むサステナブルな組織の条件を提示する。
柴田 彰 氏
コーン・フェリー・ジャパン シニア クライアント パートナー/コンサルティング部門責任者
慶應義塾大学文学部卒業後、PwCコンサルティング(現IBM)、フライシュマンヒラードを経て、現職。組織・人事に関する幅広いテーマを取り扱うコンサルティング部門を統括。役員体制の再構築、役員の評価・報酬制度設計、経営者サクセッション(承継)、指名・報酬委員会の運営支援など、役員に関わるコンサルティング経験が豊富。近著に『経営戦略としての取締役・執行役員改革』(日本能率協会マネジメントセンター、共著)、『Future of Work 人と組織の論点』(日本経済新聞出版社、共著)など。
2011年に発覚した粉飾決算事件で株価が暴落し、存続すら危ぶまれる状況に陥ったオリンパス。しかし、近年の業績は好調に推移し、2022年3月期は過去最高益を記録、2023年3月期も最高益を更新する見込みだ。同社の変革を成し遂げ、再建を果たした立役者の一人が、前社長で現会長の竹内康雄氏である。竹内氏は、いかにして経営危機でリーダーシップを発揮し、同社を真のグローバル企業へと変革していったのか。オリンパスの経営を幅広い視野でとらえ、経営理念の見直しを行い、将来を見据えた変革を実行した竹内氏に話を聞く。
竹内 康雄 氏
オリンパス 取締役 代表執行役 会長兼ESGオフィサー
1980年3月、中央大学卒業。同年4月、オリンパス光学工業(現オリンパス)入社。2009年6月同社執行役員、2012年4月同社取締役専務執行役員、2016年4月同社副社長を経て、2019年4月より取締役代表執行役社長兼CEO。2023年4月より同社取締役代表執行役会長兼ESGオフィサーを務める。
村田康明
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部 副編集長
目まぐるしい環境変化によってリスクが多様化する今、企業に求められているのは「上から押し付けられるのではなく、現場(事業部門)が自分たちで船を漕ぐリスクマネジメント」です。現場が日々の業務の中で当たり前に、息を吸うようにリスクマネジメント活動ができる状態が理想と言えるでしょう。「誰かがやってくれるだろう」という意識を現場から取り去るためにも、リーダーはリスクマネジメントに関する権限を積極的に現場に委譲していかなければなりません。そのためには企業としてどのような戦略を掲げ、どのような教育を行うべきなのか。また、リーダーはその中でどんな役割を果たすべきなのか解説します。
勝俣良介 氏
ニュートン・コンサルティング 取締役副社長 兼 プリンシパルコンサルタント
早稲田大学卒業。オックスフォード大学経営学修士(MBA)。2001年に渡英しNewton ITへ入社。2006年、ニュートン・コンサルティング株式会社創業時に取締役副社長に就任。ERM/BCM構築をはじめ危機管理、ITガバナンス、ISO、セキュリティ対応など幅広い分野でのコンサルティングを行い、柔軟かつ的確なコンサルティング手法が支持を集める。近著『なぜリスクマネジメントは組織を救うのか リーダーのための実践ガイド』(ダイヤモンド社)。
急激な経営環境の変化に適応するためには、企業の生命線であるキャッシュフローを重視した経営への変革が不可欠です。また、歴史的な為替変動による不確実な現状では、為替リスク管理の効率化・見直しも重要です。特に財務部門には、グループ全体で連結ベースのキャッシュとリスクを把握した上で、経営層の意思決定を支援する参謀役への進化が必要です。キャッシュと為替リスクにおいて、企業が抱えている課題や意思決定者であるCFO・経営層が取り組むべき、グローバル財務戦略に求められる可視化の勘所についてテクノロジーの活用も含めて紹介します。
下村真輝 氏
キリバ・ジャパン ディレクター、トレジャリーアドバイザリー
三菱UFJ銀行にて、大手日系企業のグローバル財務戦略のアドバイザリー業務に従事。その後、JVCケンウッドにてCFO補佐として、グローバル財務管理の基盤構築プロジェクトを推進した後、2017年にキリバ・ジャパンへ入社。トレジャリーアドバイザリーとして、今日に至るまで、資金効率化、財務リスク管理強化、財務ガバナンス強化、および財務DXのニーズに対して、日系企業約300社へグローバルのベストプラクティスに関する助言を行なってきた。
ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の竹内弘高教授は、HBRに多数の寄稿経験がある。本講演では、The Wise Company(邦訳『ワイズカンパニー』)をはじめとする共著書やHBRの共著論文を発表している一橋大学の野中郁次郎名誉教授との執筆秘話やマイケル・ポーター教授らHBS名物教授との親交の話とともに、「経営者に必要な知性とは何か」を探る。また、竹内教授が主宰となり、高い人気を誇っている、HBSが2012年から東北地方で行う実践型プログラムの狙いについても尋ね、社会との共生を経営の軸に据える意義を考える。
竹内 弘高 氏
ハーバード・ビジネス・スクール 教授(シニア・フェロー)
ハーバード・ビジネス・スクール教授(シニア・フェロー)、一橋大学名誉教授、国際基督教大学理事長。共著にThe Knowledge-Creating Company, Oxford University Press, 1995. (邦題『知識創造企業』東洋経済新報社)、Can Japan Compete?, Basic Books, 2000. (邦題『日本の競争戦略』ダイヤモンド社)、The Wise Company, Oxford University Press, 2019.(邦訳『ワイズカンパニー』東洋経済新報社)などがある。
【聞き手】
山崎繭加
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部 特任編集委員
1978年生まれ。19歳より古流松麗会家元梶川理仙に師事。2017年、華道家として独立 し、いけばなの叡智をビジネスや教育界につなげる活動「IKERU」を開始。いけばなの個人レッスン、企業や学校でのワークショップ、展覧会など、活動は多岐に渡る。マッキンゼー・アンド・カンパニー、東京大学先端科学技術研究センターを経て、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)日本リサーチ・センター勤務。東京大学経済学部、ジョージタウン大学国際関係大学院卒業。
組織文化の変革と人材育成
近年、DEIの重要性がますます高まっている。異文化マネジメントの研究者であるINSEADエリン・メイヤー教授は、文化的背景の異なる人々がどのように行動するか、8つの行動指標で可視化して理解を促す「カルチャー・マップ」を用いることを推奨する。本講演では、カルチャー・マップを用いた異文化マネジメントを紹介するとともに、コロナ禍を経て異文化マネジメントがどう変化してきたかを解説する。さらに、ネットフリックスを例に、文化的な差異がある中で、自社のカルチャーを世界中に浸透させ、競争力を発揮するために重要なポイントを紹介する。また、日本企業が再び競争力を取り戻すための組織変革のカギを語る。
エリン・メイヤー 氏
INSEAD 教授
異文化マネジメントに焦点を当てた組織行動学が専門。HBRに寄稿した"Getting to Si, Ja, Oui, Hai, and Da," HBR, December 2015.(邦訳「異文化交渉力:5つの原則」DHBR2016年5月号)は2015年で最も読まれた記事になった。著書に『異文化理解力』(英治出版、2015年)、ネットフリックスの共同創業者・会長兼CEOリード・ヘイスティングスとの共著『NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX』(日経BP、2020年)がある。
近日公開
斎藤 岳 氏
アビームコンサルティング 戦略ビジネスユニット長 執行役員 プリンシパル
東京大学大学院農学生命科学研究所科修了。他コンサルティングファームを経て、2001年に入社。製造業、情報通信業、サービス業、総合商社、小売・卸業、独立行政法人といった幅広い業種に対し、戦略策定および戦略実現支援のコンサルティング・プロジェクトを実施。新規事業開発、リーダーシップなどの人材開発をテーマにした企業研修講師を行うほか、講演・書籍も多数執筆。
久保田 勇輝 氏
アビームコンサルティング 戦略ビジネスユニット長 執行役員 プリンシパル
パッケージ会社/コンサルティングファームで人事コンサルティングに従事。人事の戦略、プロセス、テクノロジーの事業責任者として、多くの企業の人事戦略策定、タレントマネジメント、DX構想から業務設計、システム構築まで一貫したコンサルティング実績を有する。
今井 のり 氏
レゾナック・ホールディングス 最高人事責任者CHRO 執行役員
1995年慶応義塾大学理工学部卒。旧日立化成に入社。経営企画、オープンイノベーション、海外営業(米国駐在)、蓄電池やモビリティー等の複数事業の企画・事業統括を経て、2019年執行役(日立化成)に就任。昭和電工との統合では、日立化成側の責任者として統合をリード。統合開始から1年で経営陣の完全一体化を実現。2022年から統合会社のCHROとして、ビジネスパートナーとしてのHR改革、取締役会改革(指名諮問委員会等)等を推進しながら、パーパス・バリューをベースとした新しい企業文化の醸成、事業戦略にマッチした人材育成に注力。
最高の人材を惹きつけ、顧客の成功にも貢献するためには経営者はいかに組織を変革するべきなのか?不確実性が高まる近年、社会や経済の変化に対応できる ITシステムを導入することは、企業競争力を高めるだけでなく、多様な人材を受け入れ、ダイバーシティ&インクルージョンを実現する組織への変革につながります。本セッションでは、Apple の 100% 子会社であり、世界 140 万人以上のユーザを擁し、フォーチュン500 の 95% の企業で成功を収め、日本国内 20 万以上の組織に導入されているローコード開発プラットフォーム「FileMaker」を提供する Claris の CEO : ブラッド フライターグ へのインタビューを通じて、アジャイルでインクルーシブな組織へと変革することの有効性や、カスタムソフトウェアが競争力の源泉となる理由、DX 人材の育成や採用のポイントについて説明します。
ブラッド・フライターグ 氏
Claris International 最高責任者(CEO)
Claris International Inc. の最高責任者 (CEO) 。2013 年にワールドワイドセールス担当バイスプレジデントとして Claris に入社する前は Roambi 社、Host Analytics, Inc.、Hyperion Solutions 社 (Oracle 社と合併)、および IBM 社で営業部門の上級管理者を歴任。2019年 CEO就任後は、自らがリードしてアジャイルな組織への変革に取り組み、終わりなき改善を推進している。
2019年グーグルからパナソニックへの移籍が大きな話題となった、松岡陽子執行役員。同社のグループ会社「Yohana」の代表として米国で働きながら、パナソニックから人材を受け入れ、「西海岸流経営」を移植する取り組みを行っている。この取り組みにより、人材にどのような変化が起きているのか。また、自身が仕事と子育てを両立する中で、どのように多様な人材が活躍する組織を作るべきと考えているのか。本講演では、多様な人材を活かす“Yoky流”の組織マネジメントに加え、研究者の知見を持ちながら経営者の実務を行う自身の多彩なキャリアについても話を伺う。
松岡 陽子 氏
パナソニック ホールディングス 執行役員
1993年カリフォルニア大学バークレー校卒業後、マサチューセッツ工科大学で博士号取得。ハーバード大学博士研究員、カーネギーメロン大学助教授、ワシントン大学准教授を歴任。2009年共同創業者としてGoogleXを設立後、NestのCTO、Apple副社長、 Google副社長を経て、2019年パナソニックに入社し、2020年Yohanaを設立。著書に『選択できる未来をつくる』(東洋経済新報社、2023年)がある。
【聞き手】
小島健志
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部 編集長
人材の価値観や働き方が多様化し、VUCAと言われる変化の激しい不安定な時代の中で、組織には「適応力」が求められています。一方で今まで培ってきた経験や組織カルチャーが変化を阻み、組織の成長と共に「適応性」は下がってきます。求められる「適応性」と、育みづらい「適応性」のパラドックスを乗り越えながら、如何に"反脆弱"な組織を創っていくかがリーダーに求められます。本セッションでは、組織力向上プラットフォーム「Wevox(ウィボックス)」を立ち上げ2700社以上の組織づくりやエンゲージメント向上を支援してきた知見やデータから、如何に具体的なステップを用いて組織力を向上し、柔軟性の高い組織を創っていくのかお話いたします。
森山 雄貴 氏
アトラエ Wevox 事業責任者
2012年に株式会社アトラエに入社後、エンジニアとして「転職サイトGreen」の企画・開発を担当。 入社3年目より同社経営メンバーとして経営にも参与。2017年より組織力向上プラットフォーム「Wevox」を立ち上げ、事業責任者を務める。2021年にはエンゲージメント向上アカデミー「Engagement Run!」を発足させ、現在は講師としても企業様の組織づくりに携わっている。
ハーバード・ビジネス・スクールのアンソニー・メイヨー上級講師は、およそ20年にわたり、同校のリーダーシッププログラムに関わり、次のリーダーを生むための研究やリーダーシップ講座開発を行ってきた。過去には、元同校学長の二ティン・ノーリア氏と、経営者1000人の調査分析を行い、リーダーの条件を明らかにした。その中には、京セラ創業者の稲盛和夫氏の研究も含まれている。メイヨー氏から見て、次の時代に求められるリーダーシップの条件とは何か、またリーダー育成において必要な考え方について、稲盛氏との交流秘話とともに聞く。
アンソニー J. メイヨー 氏
ハーバード・ビジネス・スクール 上級講師
ハーバード・ビジネス・スクール組織行動ユニットのトーマス S. マーフィー記念講座上級講師。経営管理論を担当する。HBSで20年以上にわたりリーダーシップ開発に携わる。共著に、稲盛和夫氏を含む20世紀の偉大なリーダーを取材しまとめたIn Their Time, Harvard Business Review Press, 2005.(未訳)がある。
【聞き手】
山崎繭加
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部 特任編集委員
デジタル&イノベーション
2012年にトーマス・ダベンポート教授らが執筆した「データサイエンティストが21世紀で最もセクシーな職業である」と述べた論考は、データサイエンティストの存在を一躍、世に知らしめた。それから10年が経ち、データサイエンティストは「よりセクシーな職業」になったとダベンポート教授は語る。本講演では、データサイエンティストの役割がいかに変化したかについて尋ね、世界の先端事例とともに、企業がデータやAIを活用するうえで対処すべき課題について話を聞く。リーダーは、ますますデータアナリティクスと向き合うことが欠かせない。
トーマス H.ダベンポート 氏
バブソン大学特別教授
バブソン大学の学長付特別教授。情報技術およびマネジメントを担当。マサチューセッツ工科大学(MIT)のMITイニシアティブ・オン・ザ・デジタル・エコノミーの客員研究員、デロイトのAIプラクティスのシニアアドバイザーも務める。共著にAll-in on AI, Harvard Business Review Press, 2023.(未訳)がある。
世界的パンデミック、地政学的リスク、インフレ、賃上げ、サプライチェーン混乱など未曽有の経済的リスクが立ちはだかる昨今、AIなどのデジタル活用により、コスト効率化や生産性向上のみならず売上拡大やビジネスモデル革新などビジネス価値を最大化することが、最優先事項の一つです。一方、縦割り組織、旧来型のオペレーション(手作業・紙文化・属人化)、デジタル人材不足など、日本企業の典型的な課題が、次世代組織への変革スピードを遅らせる要因にもなっています。本講演では、70%という圧倒的なコスト削減を実現するAIやアナリティクスを駆使した「ハイパーデジタルモデル」が、どのように業務効率化やビジネス価値の最大化を加速できるのかを国内外事例を交えてご紹介し、次世代組織への変革アプローチと実践方法を考察します。
田中 淳一 氏
ジェンパクト 代表取締役社長
外資および国内コンサルティング会社パートナー、執行役員を歴任後、2018年10月にジェンパクトの代表取締役社長に就任。日本企業およびグローバル企業のコーポレートトランスフォーメーションを支援するジェンパクトのビジネスリーダーとして、日本市場における事業拡大を推進。データ・AIをはじめとしたデジタルテクノロジーを活用した業務改革、ビジネス革新のサポート、ハイパーオートメーション時代のデジタルオペレーション構築など、コンサルティングサービスから実行、運用まで、包括的な支援を提供している。
DXを進めていく中で、データ分析の重要性が注目されています。しかし、高度なデータ分析に進んだ段階で壁に当たってしまう組織が多く見受けられます。本セミナーでは、データの見える化から高度なデータ分析(主に統計、AIを含む機械学習)へ移行するときに壁となる課題を整理してお話をいたします。その中で、現状のデータ基盤ではデータ分析ユーザーからの要望に答えられていないという問題に対してDenodoでの対応方法についてお話しします。データ分析作業の特徴から、求められるデータ基盤の条件を明らかにします。その条件をDenodo Platform を用いてどのように実現可能かをご説明します。
斉藤 宏 氏
ジール ビジネスディベロップメント部 チーフスペシャリスト
国内大手のシステムインテグレーター企業でSE及びR&Dエンジニアを経験後、SAS Institute Japanでプリセールスエンジニア、日本マイクロソフトでは、DWH、BI、機械学習分野の技術コンサルタント及びプリセールスエンジニア、その後AI系スタートアップを経て現職
ソニー再生の立役者である同社元CEO、現シニアアドバイザーの平井一夫氏は、変革に当たって「感動」(KANDO)をキーワードに据え、全世界の拠点に浸透させていった。なぜ、KANDOをカギに変革を進めることにしたのか。またどのようにKANDOを浸透させ、組織変革を実現したのか。本講演は、平井氏と、ハーバード・ビジネス・スクールのマーケティング学科で、ブランドや「熱中」のメカニズムの研究等を行う天野友道助教授とが対談し、「感動」を軸にした経営の本質に迫る。両氏がソニーの組織変革と、イノベーションを生み出す仕組みづくり、リーダーシップについて語り合い、顧客や従業員の心を動かす仕組みを明らかにする。
平井一夫 氏
ソニーグループ シニアアドバイザー
1960年東京生まれ。1984年国際基督教大学(ICU)卒業後、CBS・ソニー入社。ソニーミュージックNYオフィス、ソニー・コンピュータエンタテインメント米国法人(SCEA)社長などを経て、2006年ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)社長。2009年ソニーEVP、2011年副社長、2012年社長兼CEO、2018年会長。2019年より現職。著書に『ソニー再生』(日本経済新聞出版、2021年)がある。
天野友道 氏
ハーバード・ビジネス・スクール マーケティング学科 助教授
ハーバード・ビジネス・スクール マーケティング学科 助教授
1989年神奈川生まれ。ハーバード・ビジネス・スクールの助教授。マーケティング論を担当。2012年ハーバード大学卒業後、スタンフォード大学経営大学院で博士課程を修了。2017年コロンビア・ビジネススクール助教授、2018年ハーバード・ビジネス・スクール客員助教授を経て、2019年より現職。
【聞き手】
小島健志
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部 編集長
テクノロジの進化により、あらゆる企業がデータドリブン経営を実現し、そのベネフィットを享受することが可能となりました。一方、データベースやAI・アナリティクスといった各種ツール導入したものの、目指した効果が実現できないという課題も多く耳にします。本講演では、SASが国内外において長年データ・アナリティクスの活用をご支援してきた経験をもとに、成功事例と変革のアプローチ、それを支えるテクノロジを紹介します。
原島 淳 氏
SAS Institute Japan ソリューション統括本部 部長
銀行、携帯キャリア、製造、小売等においてビッグデータ・AIを活用したDXプロジェクト、特にマーケティングやサービスといった対顧客業務の変革プロジェクトを多数手掛ける。近年は、SASのマーケティングソリューションのリードとして、クライアント企業のDX成功をサポートするソリューションの企画、提案に広く係わる。
私たちはさまざまなテクノロジーによる変革を受け入れてビジネスを成長させてきました。PCやインターネット、スマートホンなどに対応していなければビジネスはどうなっていたでしょうか。AIも、このようないずれ当たり前になるテクノロジーの一つです。しかしながら、AIの活用を妨げる課題が存在しています。本セッションでは、その課題とその解決策についてお話しします。さらに、組織が目指すべきEveryday AIの姿とそこに向けた各LEVELについて、またDataikuがそれをどうご支援できるかについて、先進企業の事例と共にご紹介します。
佐藤 豊 氏
Dataiku Japan カントリーマネージャー
BIとビジュアルアナリティクスの専門家。データドリブン文化の醸成、DDDM(Data Driven Decison Making)の定着、データ活用の国際・地域格差を無くすことに情熱を注ぐ。Tableau Japan株式会社カントリーマネージャー、株式会社セールスフォース・ジャパン 常務執行役員 Tableau事業統括カントリーマネージャーとしての経験を経て2023年4月よりDataiku Japan株式会社にカントリーマネージャーとして着任。データサイエンス・機械学習、AIの民主化を目指す。好きな言葉は”Unleash (解き放つ)”。
デジタル・トランスフォーメーション(DX)は、最大9割が失敗に終わると言われている。しかしその原因はテクノロジーではなく、人材、プロセス、文化、そしてCDOへのプレッシャーや責任範囲にあるという。本講演では、IMDでDXの研究を行う横井朋子氏に、DXを成功させるための重要なポイントを聞く。さらに、「デジタルに対する責任」や「AI倫理」といった、これからのDXに欠かせない重要な視点についても解説する。
横井 朋子 氏
IMD 研究員兼アドバイザー
スイスIMDビジネススクールおよびチューリッヒ工科大学でのデジタル・トランスフォーメーション(DX)に関する研究員兼アドバイザー。 Fortune500やソフトウェアベンチャーで20年働いた経験から、大企業とスタートアップ企業が直面するデジタル課題を熟知している。DXの洞察を多くの米国と欧州の媒体に発表している。共著に『ハッキング・デジタル』(日本経済新聞出版、2023年)がある。
【聞き手】
小島健志
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部 編集長