地下の小講堂で行われた学校説明会

受験生への採点者からのメッセージ

 3限の終わりにチャイムが鳴るところで、入試広報室の宮本八太郎先生による校舎中継が始まった。今年は校内見学ができず、文化祭もオンラインのみとなったこともあり、雰囲気だけでも味わってもらおうと、カメラを持って休み時間の校内を歩いて中継した。

 240席あるカフェテリアは現在使用できないこともあり、ここで買い求めた昼食はテイクアウトして教室で食べることに。食券は予約販売で、カツカレーや唐揚げといった男子校でよく見るメニューに加え、通学路にあるパン屋さんの移動販売もある。

 2階は高1と高3のクラスルーム。理系クラスの生徒曰く、「成城は楽しいよ〜」。英語は分割クラスで実施している。マイクを突き付けられて「なんでしょうかねえ」を繰り返す剽軽な生徒も登場、再びチャイムが鳴り、4限が始まった。全体的に、人懐こい生徒が多く、平和な雰囲気を醸し出す校内では、先生と生徒の絶妙な距離感も感じられ、居心地はよさそうである。

 最後は「入試概要」の説明が中学教頭の岩本正先生から。同じ難易度で同形式の入試を3回実施する「公平・公正かつ単純明快な入試」が成城流で、1回目で不合格でもリベンジ受験での合格を期待するとした後で、「地道な学習が好ましい」とアドバイスされた。

 国語と算数は100点満点(50分)、社会と理科は60点満点(30分)の合計320点満点。8時半〜12時半に行われ、科目ごとの足切りはなく、総合得点で決まる。正答率6割で合格圏入りするが、第3回入試は変動幅が大きい。なお、複数受験による優遇はない。

 2020年2回入試の点数分布の解説によれば、国語は平均点53.7で、6割ラインで合否が分かれる。ただグラフを見ると、合格者と不合格者の重なりが結構あるので、国語が高得点でも不合格の受験生は多いことが分かる。一方、算数の平均点も同じくらいの50.8なのだが、6〜100点までと得点分布の幅が広い。こちらは7割以上を得点すれはほぼ合格だ。

 各教科の採点者からのメッセージは以下のようなになっている。国語:指定文字数の上限と下限を守らないと×になる。2020年入試から問いの形式を変えた。言語知識としては、ことわざや慣用語句が出る。算数:記述問題はない。数字の書き方、例えば0が6に見えると×となる。2と3の区別がつかないこともあるので注意。分数は小数で表してもOK。ただし、分数を書く場合は真ん中の線の上下に揃えること。はみ出ると×になる。社会:記述式を3問。指定文字数の上限と下限を守ること。記述の際には、誰が/誰にといった関係性に注意すること。理科:記述式では漢字を間違えると減点もしくは不正解もありうる。カタカナは「カ」「ク」「ケ」が読みにくいと×になる。「酸」という字もしっかり書くように。

 通学時間の平均は約60分。23区が多いものの、近県からの通学も多い。過去には新幹線通学の生徒もいたそうである。