校舎の裏には中高共用の人工芝のグラウンドが広がる

2日間の説明会に親子で約3600人が参加。2020年にリアルで行われた学校説明会の中で最も多くを集めて開催されたと思われるのが開成である。各教室に分散して収容という例は他校でもあったが、それぞれの教室を受け持つ先生方が受け持ち分の20分弱を自らの言葉で語るという例は他には見られない開成の独自性だろう。正味50分で行われた説明会の様子を再現してみたい。(ダイヤモンド社教育情報)

約3600人が訪れた学校説明会

 東京男子御三家の筆頭であり、受験生の数も2月1日入試の中では例年多いだけに、学校説明会にも続々と人が押し寄せてくる印象だった。土日の6回で約3600人。父親の姿が目立ったのは、自らも卒業生という例が多いからかもしれない。

 出題傾向のような話はなく、入試関連の説明も手続きの話だけだった。かつては良いと思う受験番号を取るために、親が徹夜で並ぶようなこともあったようだが、ネット申し込みのいまでは受験番号はランダムに発行されるので、そのような光景を見かけることはない。

 2020年4月に就任した野水勉校長は、学校説明会に来た受験生親子を出迎え、終了後には校門のところで見送っていた。どのような子たちが開成に興味を持ってくれているのか関心があった様子だが、あまり他校では見られない風景でもある。先生方が「ありがとう」をよく口にするのも印象的だった。

 体育館や講堂に集めるのではなく、各教室の最前列を空けて着席させて、中継と動画配信をする形で説明会を行った。正味50分と実にコンパクトで、後半20分弱は各教室に張り付いた先生方が自分の話をするため、その内容は人によってだいぶ異なっていたかもしれない。

 2人の先生がビデオで登場したが、体育の先生は著書もある東大出身の有名人である。英語の先生のお話も印象的だったが、驚くべきことに、これは実際に中学生相手に行っている授業の内容なのだという。恐ろしくレベルが高く、興味深い。

 今回の一番の驚きは、コロナ対策とはいえ、開成が追試の実施を発表したことだろうか。