生徒が自ら深い学びを行う校風

 ビデオ収録された2人の先生による約10分間の授業案内。体育と英語を取り上げたのは女子学院と同様だった。

 まずは硬式野球部長でもある青木先生が校内のいろいろな場所で語る。硬式野球部に在籍していたキャプテン(捕手)が生徒だけで大会の試合の戦略運営をしたことに触れ、攻撃力は高いが守備力は弱い。相手に大量得点を許すと勝ち目はなくなる。そうしたことを考えて決断してくれたことが、勝ったこと以上にうれしく思ったと述べる。このように必要最小限の知識や技術を与えた後は、生徒自身の自由な発想で伸ばしていくのが開成流。

 次いで、図書館から中1担任の英語科の山崎先生が登場。「GO TO TRAVEL」とシェイクスピアの劇、「BLACK LIVES MATTER」はさまざまな意味の組み合わせが可能といった高度な授業の実例を語った。英語を学ぶ際には、よく理解して、自分で考えること、他者への配慮が大切という点を指摘、懐の深いところで学びたいことが学べる校風、学問の自由があることを語った上で、やはりシェイクスピアのセリフで締めた。

 Tell me good Brutus, can you see your face?

 ここまでで中継は終了。以後は、各教室を担当している先生が20分弱語った。中1の新入生は最初の1週間はシーンとしているのだが、そのうち先生の話を聞いてくれなくなる。でも、開成の先生は「静かにしろ」と怒らない。代わりに、自分の授業を工夫する。(出席している親に向けて)中学に入るまではお子さんとべったりしていればいい。

 塾はできる子を伸ばせばいい。でも学校は、数名の子が学校に来られるよう手を差し伸べる。ただ、勉強は嫌いにならないでほしい。そうなると手がつけられない。生徒が「分からない」「(この科目が)好きじゃない」ならば、先生は燃えて、教えてくれる。

 最後に、「君たちがこの学校を創ってくれる。来年の4月、この学校でお会いしましょう。」