都心部で屋内プールのある学校は意外と少ない

たくさんの実験と体験の蓄積

 理科は駒東の華である。理科系のクラブ参加者数は他校の2倍ほどいる印象だし、実験室が9つもあることも珍しい。毎週、授業でクラスを半分に割って実験を行っている。生物は中1から魚やイカの解剖、小腸が20メートルもある豚の内臓と実物に触れているし、物理ではバネやコンデンサなどを使った実験を行っている。

 地学では中3で“ウチュウジン”を校内に探す時間もあったりする。これは“宇宙の塵”、流れ星の燃え滓のことであり、校舎屋上で磁石を用いて採取する。海洋プラスチック問題ではお台場で海のプラごみを採取、魚の消化管からプラスチックを摘出したりする。高校生ではPCR検査もやってみた。

 英語も国語同様、表現することに力を入れている。高3時点で、難度の高い語彙、文法、構文構成力を用いた英作文ができることが目標の1つであり、そのためには入学時のアルファベットから始め、ハイスピードで応用可能な基礎能力を身に付けていくことになる。

 中1と中2の英語はすべて分割授業で、継続した音声指導を施す。文法は中3でほぼ終わらせ、目安は英検2級の取得に置いている。高校では担当教員のオリジナル教材を使用、高3では駒東名物の英作文の添削も待っている。

 進学指導は、第一志望を熟考した上で、初志を貫徹することに重きを置く。ここでも、「学力の3要素は実施している最中であり、時代が我々にやっと追いついてきた」という先生方の感慨に触れることができた。

 校内見学では、さまざまな展示も行われていた。理科の実験については先に触れたが、4階のゼミ室には特別教育活動(中1霧ヶ峰林間学校、中2志賀高原林間学校・鎌倉見学、中3奈良・京都研究旅行、高2修学旅行)の記録が並べられていた。これがなかなかの力作揃いで、高2の修学旅行(2018年はシンガポール/北海道、2019年はベトナム/九州北部)ともなると、ちょっとした論文である。コロナ禍で予定通り実施できなかった2020年は、沖縄/関西地方を2021年2月に実施の予定となっている。