囲碁将棋部は全国大会に進出

男子校には珍しい和楽器の部活も

 続いて、ビデオで紹介されたのは中高で部員10人という日本文化部。男子校では珍しい三味線や琴を奏でる。和楽器、津軽三味線に魅入られた生徒が登場。「すがもコレクション」と題された70歳超のシニア向けファッションショーで、休憩中に演奏しているシーンが流れた。この生徒は、三味線の魅力を海外にも伝えるため英語を身に付けたいと、文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」で留学したという。

 1学期に予定されていた2020年度競技大会は中止に。学園祭も中止に。競技大会については、生徒の活力が出るよう、2学期の期末試験後の時間を使って12月後半にぜひやってほしいと生徒会にお願いしたところ、「断る」といわれてしまった。11月に生徒会の選挙があり代替わりするため、絶対に10月に実施したい、つながりを絶えさせないためにという理由からだった。先輩から代々受け継いできたノウハウは、大きな行事で伝えていくことができる。そこで生徒会の考えを受けて、学年ごとに密にならないように実施した。

 学校は失敗を安全に経験できる場所。それが男子校最大の強みでもある。体と心と頭をバランス良く成長させてほしい。本郷は面倒見も良いが、教えられるよりも学び取る姿勢、これに尽きる。自分からエサを取りに行くようにしてほしい。ただし、強制指名補習もある。

 30分ほどの校長の話に続いて、入試に関する確認事項とアドバイスが動画も交えて20分ほど行われた。入試に関しては積極的に情報を開示していこうという学校側の姿勢が如実に表れており、「中学校入試問題の傾向と対策まとめ・昨年度実施結果」では、教科ごとに作問の基本方針と試験実施結果の振り返りもある。それも踏まえながら、各教科の入試問題解説を簡単に見ていこう。

 まず、国語は漢字(10点)、論理的文章(45点)、文学的文章(45点)の3つについて作問の基本方針が示された。独創的な発想や表現力を見るのではなく、設問の意図や要求を正確に理解し、問題文の中から必要な部分をそれらに合うよう編集して言い換える力を確認したいとしている。筋道の立った文章理解ができているか、記述式でも問われる。選択肢、空欄補充、抜き出しなど問い方もさまざまである。