奥に校舎が詰まっているキャンパス

入試問題は基本に忠実に

 算数では、小問集合で基本事項を当たり前にできる力を問い、大問ではイメージが湧きにくいものを具体化し、習った知識に言い換えて考え、解答する力を問う。ここで点差が出る。例年ほぼ同様の形式で出題されており、2021年も大幅な変更は行わないので、過去問対策の効果は大きい。

 第1問は計算問題、第2問は仕事算・ニュートン算・つるかめ算・旅人算といった定番問題が出る。第3問はグラフの読み取りも必須であり、第5問では平面図形や空間図形も頻繁に出題されている。第4問と第6問では、ここ3年は対話形式の問題となっており、これは長文を読み取るのがたいへんかもしれない。

 しかし、100点を取る必要はない。みんなができるような標準的な問題を取りこぼしなく得点することがたいへんに重要となる。他者へ伝えるという観点から、字のていねいさもとても重要視しているので、判読不能な数字などは得点できないことに注意。

 社会は40分75点で、地理・歴史・公民の3分野で25点ずつ、受験者平均得点が6割となるように作問している。基本を大切にオーソドックスにバランスよく学ぶ、つまり苦手分野をつくらないこと。地理では、深い知識を問う問題では得点差が開いた。地形図の読図は必ず出題される。都道府県ごとの時事問題など地域の特色を理解すること。

 歴史では、漢字のミスや類似用語との混同が多く見られた。記述式の字数制限も漢字指定が前提となっている。長い論述はないので、ていねいに読みやすい字ではっきり書くこと。公民では、大きな得点差が生じており、基本事項の習得度合いが反映されている。時事問題は数年前の出来事まで確認してほしい。

 理科も40分75点で、物理・化学・生物・地学の4分野についてほぼ均等にまんべんなく出題する。しかし、まんべんなくできている受験生は少ない印象で、解答にひと工夫が必要だったり、問題が長文だったり、解答記号を複数選択しなければならない問題などの出来が悪かったという。受験者平均点は約6割。身近な現象に興味を持ち考えることが基本となる。小学校理科の範囲内から出題している。表やグラフから読み取れることを説明し、グラフを表現する問題も出すので、定規は準備してほしい。